何も無い、名にも無い
視線の先の下の死線
喉に自白を突き立てて
微毒は酷く美徳なもので
どんな瞑想をも活き活きと、どんな涅槃にも溶け込んで

夜の人外境にて
愛憎劇とエマージェンシー
水槽の中の不可知論
人間は、最後の最期は、それだ
歓喜の悲鳴も高々に

暗い愉楽に身を委ね
沈黙の数だけ君のくちびるを
ムンクの微笑み
漂う口先の拙さ
輝くものが告げた神様の死

思い切り惨く死んでしまえばいい
慈悲にも例外はあるのだよ
舌足らずの君が言う「死ぬ」は
独白に毒吐く酷薄な告白
例えば朝と夜は繋がっているけど重ならない

二度と明けない夜が来る
或る一つの輪廻の断絶
エブリバディズ・フール
想うに遠く面映ゆく
あまりに正しく生きすぎた

でも暗闇と沈黙は人を弱くする
一秒、薔薇の双眸の吸い取るはやさ
真夜中の薔薇一輪に蝶は咲く
どこかの国のいつかの夜へ
この国は桜が咲きすぎ散りすぎる

罰の為の牢獄か、束縛の為の鳥篭か
あなたの小さな心臓が
くだらない悲劇ごっこはもうおしまい
或る一つの運命について
今日は死ぬのにもってこいの日

創造に飽きた神さまは
布を纏えば君は夜
生きた肉体の群れ
意志なき氷を噛み砕く
この身の死より遥かに残酷な

歌う小鳥に口を噤めば
塩素が細胞を蝕むその時まで
女神の微笑みは救いであり警告だ
サナトリウムで憂いを患う
息する死体と死体遺棄

愛憎渦巻く口の中
君の亡骸すら苗床に
生きる喜びの悲劇
月の瞼に夜を隠して
諦観のトランプ遊びで衰弱死