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あやめも知らない闇がある
醜さに耐え切れず落つ赤椿
尖鋭な脆さ、その潔さ
次に眠ろうと目を瞑る瞬間が夢からの剥離だったら
わが血怒涛となりゆく夏に
裏切りに続く指切りを
鮮やかに赤いさようなら
幾世久しく永らへど
怠惰に匂ふ白き花
罪はリビドーに帰る
理由もなく理解もなく理性もなく
世にも濃厚な唇の調べ
絶望日和
貪欲に歩くもの
理解からも誤解からも遠いところで
急く足を止めんと咲くや彼岸花
夜ごと輝く星の向こう
骨仕掛けの恋人
狂気を尖らせ
ひかりも淡きゆめに別るる
ルージュもとろけるキスをして
懺悔室で自慢話
つかれた心臓は夜をよく眠る *荻原朔太郎
あれは阿片中毒者のみる幻です
夢のない眠りに包まれて
私の明日なきむくろの恋人よ
憂鬱に咲く桜も枯れ腐る
真夜中の追憶の中、夢の外
未来が過去になる度に
信じるままの姿の輝き
人ははじめに眠りにつく
両翼はあるが飛ぶ必要もない
永遠の後で
死報をくちびるに乗せながら
欠伸のごとき頭蓋の国で
「こんなあさましい主観かなぐり捨てて、今すぐお前の客観になりたい」
地獄座に鋭い月がさしのぼる時
微笑み剥いで高笑え
翼ある一群れ
寓話の姿を借りた魔物よ
地獄の沙汰も夜明けまで
恐ろしく晴れた夜に
忘れろ夜明けに見たものを
昨日見た夢、僕が死ぬ夢、今までで最高の夢
左手が右手に勝てないように、右手が左手に勝てないように
貴方が貴方である為に
どうぞ指を餞けに
狂気とよく似たナイフの艶に
無言で口付けの冷戦を
復讐までのシークエンス
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