鏡を見つめても貴方は其処に居ないのですよお嬢さん!
モーリス・ラヴェルの静かな始まりの朝
君のために絞めた首ですし
追悼する者に注意せよ、きけ、あの悦ばしい告別を
愛にしたたかに殴られる

脳は頭蓋に窮屈する
荒野はいつか畑となるよ
なやましき凶器の愚鈍な悩み
眠り煙る水の中、革命前夜の慟哭が
歪んだ世界を奏でるポルカ

息の続かぬ者の刃など
静寂から流れ出した血のように
生きることこそ終止形
あとは血となれ肉となれ
波に舵を風に帆を

ピストルは歓喜に震え
エイトビートの嘲笑
在りし日の黄昏へ
神がその答えを与えるわけでもなく
手放すには惜しい価値を放ち

ひとつの秩序を極論で煙に巻く
廻り廻れ大団円
明日が来ない方法ならある、刃物が言った
サアカスは希望を糧に永らへど
見世物小屋行き処世術

裏切るよりも千切るに易い
青い腕の咲く庭で / 裏庭に咲いた青い腕
交じり合わない夜の下
屍の上に咲くような
声なき声を枕にうずむ

自害の国の月が呼ぶ
君を呑み込む僕の口
そうして死の絨毯に身を放り投げ
とある夜汽車の電燈は暗く
歩み行く者どもの中ひとり

追憶を美しくして花の散る
背徳者の背に生えたのは
うすくれなゐにピストルの啼く
三等列車の窓際で
格別病むべきこと

破れた肉體の知っていること
機関銃の悲しげな叫びよ
決意の代わりに銃を取れ
避けた運命に出会う夜
暗黒劇場の大欺瞞

人は生死の巷に迷ひ、世は興亡の轍を廻る
誰かが最後に永遠を知る
万華鏡騒動
パノラマ館の怪異
夜明けに遠く、絶望に近く